メグさんがまだ幼い頃、お母さん側のおばぁちゃん家に行くことが大好きだった。
その家は古くてお風呂は五右衛門風呂だし、トイレも屋外。台所も土間で窯がおいてあった。
ご飯を食べる場所と居間の間に障子の扉があり取っ手の所は丸い穴があった。
夜11時ぐらいになると家族は就寝する為に各々の部屋に戻る。
メグさんはお母さんと布団に行き、寝る準備をする。
しかし、障子の取っ手に毎回指が三本出ている。
その指はゴツゴツして爪の鋭い指だった。
しかし、メグさんはおばぁちゃんの家に行った際は必ず見えていた。
ただ、不思議に思っていたのでお母さんに聞いてみることにした。
お母さんに『あそこ(障子の扉の取っ手)にな』と聞こうとするとその指はスッと消える。
メグさんは仕方がないので布団に入る。
いつも見えるとはいえ気になるので振り向いて確認するとやはり指が見える。
その色は群青色で鬼のような指だ。
まだ幼いメグさんは鳥が入ってきてそこにつかまってると思っていた。
おばぁちゃんの家には大きい置時計があり、深夜2時になると「ゴーン、ゴーン」と音が鳴る。
メグさんはその音で目が覚めてしまっていた。
おばぁちゃんは深夜3時になると起きてくる。
メグさんはそれを知っていたので布団の中で気になる気持ちを我慢しながらおばぁちゃんを待っていた。
しかし、おばぁちゃんが起きてくる10分前ぐらいには居間に行き、その指を確認していた。
まだその指があることを確認すると目をつぶって10秒数えては目を開け指を確認していた。
やはり指はまだある。
そんな事を繰り返していたら「ゴーン、ゴーン」と3時の音が鳴る。
おばぁちゃんが起きてきて、指のある穴に手を入れ扉をバッと開ける。
その時には指は消えていく。
その指についておばあちゃんにも聞いた事はなかったが、聞いてみることにした。
メグさん:扉の取っ手部を指さしを行いながら、『ここにな、指があってあれは何?』
おばあちゃん:ニコニコしてメグさんの背中をさすって『メグにはあれが見えるのか』
おばあちゃん:『メグはあれを見て怖くないんか』
メグさん:『ううん、全然怖ない!あの指は何?』
おばあちゃん:『あの指はこの家を守ってくれてる鬼の指や』
まだ幼かったメグさんは鬼さんなんやと思った。
御家守ってくれるならいい人なんやとも思った。
そんな事をおばあちゃんと会話をしてまた布団に戻り、朝まで眠りについた。
メグさんは大阪に在中しており頻繁におばあちゃんの家に行くことは出来なかった。
次におばあちゃんの家に行った際は土間や障子の扉も取り換えられて無くなっていた。
それからは”あの指”が見えなくなっていた。
幼い時の記憶のためメグさんはその指の事すら忘れてしまっていた。
そんな不思議な経験をしながら時は経ち中学二年生の時だった。
金縛りにあった。遠くの方から祭りのような音が聞こえていた。
太鼓の音など聞こえたが、こんな時間に祭りなんてするはずがない。
そんな事を考えていたらドンドン音が近づいてきていた。
本能的にこれはダメなことのように感じていた。
すると突然大きな音で太鼓の音が聞こえてきた。
”なにかがいる”そんな気配を感じた。
そこには赤黒い鬼と青い鬼が太鼓の音に合わせて踊っていた。
それも寝ているメグさんの周りをグルグル踊り回っているのだ。
メグさんは変な汗を出しながら金縛りにあったまま声すら出せずにいた。
それでもなんとか叫ぶように声を出した。
するとお母さんが急いで来てくれて『今日はなにがあったの!?』
メグさんは腰を抜かしているし、声もなかなか出せないのでお母さんにほふく前進で近寄った。
メグさん:『鬼が鬼が鬼が・・・』
お母さん:『鬼がどうしたの!?なにがあったの!?』
メグさんがお母さんに辿り着いた時にお母さんの腰に手を回してしがみついた。
そこから記憶がなかった。
朝、目が覚めると布団にいたのでリアルな夢を見たんだなと思った。
そして台所に行ったらお母さんが『あんた昨日今までにない叫び声だった』と言ったのだ。
夢じゃなかったのだ。
そして昨夜の鬼の話しをお母さんに説明した。
お母さん:『じゃあアンタ鬼鬼言いながら寝てもたやん』
メグさん:『ちゃうねん。気絶したんや』
その際におばぁちゃん家で見た”あの指”の記憶が蘇った。
それをまたお母さんに説明して、朝からそんな話しはやめようという事となった。
お母さんも霊感が強く、中学生のメグさんにはさぞ不思議な体験だっただろう。
幼い時は特に恐怖を感じなかった。
個人差はあるものの比較的幼い時に見ることが多いような気がする。
メグさんの場合は段階を踏んで霊感が強くなっていったそうだ。
中学一年生になったすぐから金縛りにあったそうだ。
それは中学三年生になるまで頻繁に起きていたそうで一週間に”何日まともに寝れるのだろう”と思ったほどだ。
それから少し気分も落ち込み、病み始めた。
そりゃ毎晩うなされたり、怖い思いをしていたら当然だ。
小学生の時は不思議なことだな~ぐらいの気持ちが大人に近づくことで恐怖へと変わっていくのだ。
メグさんも中学三年の後半あたりから”霊の見え方”が変わっていった。
夢に霊が出てきて、目を覚ますとそこに霊がいるのだ。
そして高校生になった際に【やられてばかりではダメだ】と思った。
金縛りにあいながら解く方法を編み出していった。
高校生になってからは霊に対して怒るなどの方法も行っていた。
今ではもう慣れもあり、霊に動じることもなくなった。
このYouTubeチャンネルをやり始めてからは家にラップ音が多くなったそうだ。
ラップ音とは
建物の構造による音:
- 木材の収縮や膨張による音
- 建物の基礎のわずかな動きによる音
- 配管や電線の振動による音
外部からの音:
- 風の音
- 近隣の工事の音
- 動物の音
心理的な要因:
緊張や不安によって、普段は聞こえない小さな音を大きく感じてしまう
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